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VUCAって一体何?そしてハーバード・ビジネス・レビューの解決策が笑える

最近見かけるVUCAという言葉。MBAの授業でも出てきたな~、これ。

もともとは軍隊用語らしいですね。冷戦後(若い人知ってるのかな?アメリカとソ連が睨み合っていた時代。ドイツが東と西に分かれていた時代。)の世界を表現するのに使われたのが由来みたいです。

そして、このVUCAブッカ~なコンセプトが、グローバルが進んで混沌としたビジネスの世界で経営戦略を企てるうえでの所謂バズ・ワード、ま、流行語みたいなもんかな、に昇格したみたいで。おめでとうございます。

ちなみにVUCAはブカと発音します。で、4つの単語の頭文字をとって、VUCA。

V=Volatility

U=Uncertainty

C=Complexity

A=Ambiguity

です。物事が常に動いて安定してなくて将来が見えず、しかも物事が複雑で混沌としている。ま、ひと言で言うと、「わけわかんね~!」でしょうか。現代の企業戦士たちはこんなにシビアな戦場で戦っているわけです。そりゃあみんな疲れるわな。

これ、HBRのVUCAに関する記事です。「あなたにとってVUCAとは?」で、HBRらしくマトリックスにまとめられてます。わかりやすっ!って、こんなにVUCAを単純化して良いんだろうか。ま、HBRだからいいんでしょうね。しっかし無責任なまでに単純な答えだな、これ。

hbr.org

https://hbr.org/resources/images/article_assets/hbr/1401/F1401C_A_LG.gif

Volatilityへのアプローチが一番笑えますね。

Volatilityの状態は、課題は思いがけず降りかかるか状況が安定しないこと。そして関わる期限は不明。しかし課題自体は難しかったり理解しがたいことはない。課題解決へ必要な知識は容易に得られる、ですと。

例としては天災後の値段の高騰によりサプライヤーの不足。

で、これに対する対応が、在庫を増やすことと余剰人員を雇っておくこと。マジかよ(笑)この解決策は高くつくが(そりゃそうや)投資がリスクをカバーする、って。あのね~、本気で言ってる?それが簡単にできないからいろんな会社が経営に四苦八苦してるんじゃない。大きな会社だったら可能かもしれないけど、今はどこの会社もキャッシュフローを睨みながらの経営だから、いざと言う時のために在庫を増やしましょうなんて言う勇気のある人はなかなかいないでしょ。余剰人員なんてありえない。

Complexityの例はけっこううちの会社にもあてはまるかも。いろんな国で事業を展開していて、国ごとの法律があったり文化の違いがあったりして本当にややこしい。で、解決策はというとスペシャリストを増やし、複雑さに対応できるだけの人材を育成しましょう、と。は~・・・・・(ため息)。ま、正論と言えば正論かな。

Ambiguityの解決策は、とりあえず実験してどうなるか見てみましょう。Uncertaintyには情報に対して投資しましょう、と。

なんか全部超あったりまえじゃん、な答えだな~。今をときめく、と言うか、頭の良い人達がよってたかって眉間に皺寄せて議論しているVUCAに対する解決方法がこんなに単純でいいんかい?

でも、一歩下がって考えてみると、複雑なこと、わけわかんないことへのアプローチなんてこんなもんなのかもしれません。とりあえず情報を集めて知識武装し、リスクに備えて蓄えて、とりあえず何かやってみて失敗から学んでいく。全ての基本がVUCAへの対応にも当てはまります。

なんか最初は笑っちゃったHBRの記事だけど、単純に見えて実は深いのかもしれない。