お気楽シリコンバレーライフ

シリコンバレーで働くサラリーウーマンの思うところ、いろいろ

スタンフォード・ビジネススクールのイベントに行ってきました

 今日はスタンフォード大学で行われた女性向けのセミナーに行ってきました。このイベント、スタンフォード大学にしては良心的な150ドルで軽い朝食とランチつき。ちょうど予定のない土曜日だったので、行ってみることにしました。

このイベントはキャリアを積んでいく上で、次のステップを踏み出そうとしている女性をターゲットに、ベイエリアで女性活用を推進する団体であるWatermark、母親業に専念するためにキャリアを一時中断していた女性の再就職をサポートするスタートアップの会社Reboot、そしてスタンフォード・ビジネススクールのコラボレーションで行われました。

 

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会場はスタンフォードのビジネススクールです。

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イベントに内容は、スタンフォードの教授による講習や、シリコンバレーで働く女性のスピーチ、分科会など。

8時半から始まって、非常に濃い内容でした。

ちなみにスケジュールです。

8時半~9時半

スタンフォード・ビジネススクールのNeale教授による講習。(Margaret Neale)

Getting (More of) What you Want:  The Challenges and surprising Opportunities When Women Negotiates

この教授はスタンフォードで交渉術を教えていて、話もおもしろく一時間があっという間でした。調べてみたら日経のサイトでも紹介されていました。

今日行われた講習は女性向けということもあり、交渉しないことがいかに経済的な損失を生むかということに多くの時間が割かれていました。これは日本ではあまり経験しないことかもしれませんが、アメリカではお給料を交渉することはよくあることです。で、よく言われることは男性は昇給などを提示されたときに交渉するが、女性はそのまま承諾してしまう、ということ。最初は少しの差かもしれないけれど、20年、30年のスパンで見ると、最初の小さい差がどんどん大きくなる。だから交渉しないと損ですよ、と、かなり説得力のあるデータとともに講習されていました。

9時半~10時半分科会  Tool for Success

1.Life hacks for Breakthrough Thinking

2.Think Fast, Talk Smart

分科会の悩ましいところはひとつのセッションにしか参加できないこと。私はコミュニケーションの教授であるMatt Abrahams氏のThink Fast, Talk Smart のセッションに参加しました。

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このセッションは面白かった~!何十人かの聴衆がいたのですが、参加型の講習スタイルで内容もおもしろく、聴衆を何回も笑わせながら飽きることなくあっという間の一時間でした。さすが、コミュニケーションの先生!アメリカの大学の教授は本当に生徒を飽きさせることなく、内容盛り沢山の授業をする人がたくさんいます。

 ちなみに下のリンクはこの教授が主催しているウェブサイトです。教授の講習のビデオもあるので見てみてください。(当然ですが、英語オンリーなのであしからず。)

No Freaking Speaking | Speak Up Without Freaking Out by Matt Abrahams

11時~12時15分

Reboot YOur Career using Design Thinking, Growth Mindset, and Positive Language

このセッションはRebootという、母親業に専念するためにキャリアを一時中断していた女性を支援する会社を立ち上げた2人の女性によるものでした。プロフィールを見てみると、二人ともハーバードのMBA持ち。どんな高学歴でも女性にとって子供を持つことはキャリアの障害になるんだな~、と、変なところに感心。で、内容はスタンフォードで生まれたDesign Thinking をいかに活用して自分達のキャリアをデザインしていくか、というものでした。使われたコンセプトのGrowth MindsetやPersonal Inventoryのワークシートなど、自分の今までのキャリア、プロとしての成長、そしてこれからどのようにキャリアを進めていくのかを考えるよいきっかけになるセッションでした。

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12時15分~1時15分

ランチ

1時15分~2時45分

1.Social Impact Leadership

2.Flexible Work, Entrepreneurship, and the "Gig"

3.Extreme Innovation and Intrapreneurship

午後のセッションは、仲良くなった女性が参加するというSocial Impact Leadershipに一緒に参加しました。また、私の娘がSocial Workを勉強していることもあって、NPOがどんな問題点を抱えているのか、それをどのように解決しようとしているのか、ちょっと興味もありました。残念ながら、このセッションはいまいちインパクトがありませんでした。そして、それこそがNPOの問題点なのかもしれない、と、思うのです。なんか言うことにパンチが効いてない、問題点を明確に把握していない、そして問題点に対する解決策が乏しい。トランプ大統領になってから資金繰りがかなり厳しくなっているNPOが多くなっているようなのですが、それに対してどうしていったらいいのか、という議論が聞かれませんでした。私の印象としては、お金と時間に余裕のある女性達が行っているのがNPO。(本当はそうじゃないと思いますけど。)

一人だけ非常に核心をつく女性がパネリストにいたのですが、きくところによるとシリコン・バレーのキャピタリストでもあるガイ・カワサキの奥様だとか。夫婦そろってキレ者なんですね。

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3時~4時

で、クロージングはGoogle Brand StudioのディレクターであるSherice Guillory Torresによるスピーチ。題して「Crashing the Silcon Valley Boys Club」です。これは彼女のキャリアを追いながら、心に残る名言を紹介していくという流れでした。Shericeさんはサンフランシスコに近いリッチモンドという町の出身。この町は、はっきり行って治安の悪い、ギャングやホームレスの多い町です。黒人である彼女は同級生から「がり勉」と揶揄されながらも勉強にいそしみ、大学はハーバードへ進み、デロイトでコンサルタントとして数年働いた後スタンフォードのMBAを取得。その後、二コロディアンでシニア・バイスプレジデントまで上り詰め、グーグルに転職したという経歴の持ち主です。経歴だけ見ると「スゴイ人」で、終わってしまいそうですが、それなりに紆余曲折や挫折の経験もあって、それらの経験から学んだことなどを話してくれとても参考になりました。

紹介されたいくつかの名言の中で、特に私にとって印象的だったのは It's never too late to be what you might have been でした。大学を卒業したのも、マネージャーになったのも、そして修士号をとったのも全て40歳をとうに超えてからの私にとって、とても感慨深い言葉です。

 

さて、100人以上の女性が参加したこのイベントで、年齢も職業もそして人種や国籍もさまざま、そして高い目的意識を持った女性達に沢山会えて本当に良いエネルギーの補給ができました。楽しかった~!!よーし、頑張るぞ~!