お気楽シリコンバレーライフ

シリコンバレーで働くサラリーウーマンの思うところ、いろいろ

アメリカという国の特異性

小さな部門ながら、一応グローバル企業の研究開発部門の予算管理を生業としているおかげで、いろんな国のオフィスに行く機会があります。うちの部門ではシリコンバレーとシアトルの他に、韓国のソウル、スロバキアのコシチェ、インドのバンガロールにエンジニアがいて、ドイツの本社に行く機会もありました。

アメリカに戻ってきて思うのは、アメリカっておもしろい国だな~、ということ。韓国のオフィスでは当然ながら大半が韓国人の社員。インドも当然インド人が大半。スロバキアもドイツもそう。その国の人達が働いていて、みんな見かけも大体一緒。

でも、アメリカのオフィスは全然違う。私のチームは、上司がドイツ人。同僚はドイツ人、カナダとアメリカの国籍を持つ元インド人(ややこしい・・・・)、イギリス人、日本人の私、そして、アメリカ人は一人だけ。同僚達の人種や国籍もバラバラで、いちいちあの人は何人、とか聞く人はいない。っつーか、そんなこと聞いてたらキリがない。

私のこともアメリカ人だと思ってる人もいるし。同僚達と雑談してた時、外国語の話になり「いや~、私も苦労したわ、外国語習得するのに」と言ったら、「何語勉強したの?」どんな質問するんや?と思いつつ「英語だよ。」って言ったら、「あれ?あなた英語が第二言語?知らなかったわ~。」だと。ま、こんなもんです。

いろんな国の人達が混ざって働いているので、個人レベルでは問題はあまりないのですが、たまにお国事情が垣間見えますね。中国語を話していた同僚に、「あなた中国人?」って何気なく聞いたら、「違う。台湾人。」と、きっぱり言われたことがあります。すみませんでした。それ以来、気をつけるようにしてます。

あと、インド人とパキスタン人なんて、私らには区別が全然つかないんだけど、この人達国同士では超仲が悪いみたい。バンガロールの同僚がクリケットの試合で、パキスタンとの試合になると「第三次世界大戦だ」って冗談で言ってたし。シリコンバレーのオフィスではみんな関係なく一緒に働いてるけどね。

ヨーロッパ人はそれぞれ微妙に違っていておもしろい。同じドイツ人でも、旧東ドイツ出身の人達は、なんとなく雰囲気でわかる。ドイツの隣の国で、同じドイツ語圏のオーストリア人は、ドイツ人よりも当たりが柔らかな人が多いので、私はオーストリア人、好きです。フランス人は不平不満ばっかり(笑)他にもトルコ人、マセドニア人、ボスニア人、ルーマニア人、ベトナム人、フィリピン人など、なんでもござれ。みんな一緒に仲良く仕事してます。

今の職場にはあまりいないけど、以前の職場にはアフリカ出身の同僚もけっこういましたね。アフリカ出身といっても、なぜかみんな白人ばっかりだった(笑)私の部下の女の子はキューバ出身で、旦那さんはインド人。どこで出会ったのかと思ったら、フロリダの大学で出会ったそうです。

こうして世界中から移民が集まるアメリカという国はとてもユニークです。この国が発展し続けていく理由は育った環境が違う人達が集まって切磋琢磨しあい、新しいアイディアを出し合い、異なった視点から問題を解決していく環境があるからだと思います。

日本でもディバーシティという言葉が最近流行っているようですが、アメリカのディバーシティはレベルが違います。男女の差のみではなく、人種の違い、性的嗜好の違い、年齢層の違いなど、あらゆる多様性を受け入れよう、という姿勢なのです。当然そうすることは簡単じゃないですよ。ゲイを受け入れない人とか、有色人種を差別する人とか、もちろんいます。でも、アメリカの凄さは面と向かって正面から「そういうことはやめて、多様性を受け入れましょう。」と宣言し、それを馬鹿正直に実行しようと努力するところ。

トランプ政権下、いろいろと問題もある国ですが、多様性を受け入れる一般の人達の姿勢は見習っても良いんじゃないかと思います。