お気楽シリコンバレーライフ

シリコンバレーで働くサラリーウーマンの思うところ、いろいろ

アメリカの職場でサバイバルするには

アメリカで働き始めて早20年ほどが過ぎ、お蔭様である程度責任あるポジションに就き、部下もいる立場で働いております。20年間ずーっと日本人は一人だけという職場で大変なこともいろいろありましたが、ここ数年はまあまあ楽しく仕事させてもらって、いろんな所に行かせてもらって、おもしろいプロジェクト任されて、けっこう平和なサラリーウーマン生活を送っています。先日大学の同級生でもある日本人の女友達と話していたのですが、みんな(同級生だった女性達)それなりに成功してるよね、という話になりました。

 

で、今日はアメリカの職場でサバイバルする条件を、私の経験をもとに考えて見ました。

 

1.仕事で認められること

当然と言えば当然ですが、きちんと仕事できなきゃ話になりません。そんなの日本でも一緒だよ、って言われそうですけど。ただアメリカ(と言うか、うちの会社の場合)での経験から言うと、即戦力であることが日本よりも求められるので、これ知らないから研修を受けさせてくださいなんてのんびりしたことは言ってられません。逆に、こんなことも知らないのに採用されたなんておかしい、って言われちゃいます。まさにsink or swim(必死で泳ぐか溺れて沈むか)です。実は他部署から推薦されて私のチームに入ってきた契約社員がいたのですが、基本的な業者への支払い等の手続きにも手こずるような人だったので、さっさと契約を解除しました。で、彼女の言い分は「至らなかったところはトレーニングしてほしかった。」あ~の~ね~、少人数で回している部署なんだから、任される仕事ができるという前提での採用なんだよ。インターンじゃあるまいし、トレーニングとか呑気なこと言ってるんじゃね~!と、心の中で思いながらも「残念だけど、スキルセットがミスマッチだったわね。」と、微笑んで見送りました。

 

2.チーム・プレーヤーであること

アメリカ人は仕事場での人間関係とか気にしない、というのは大きな誤解です。やはりそこは人間同士ですから、いかに同僚とうまくやっていけるか、その上でどれだけ生産性を上げていけるかは重要な評価基準になります。人事査定の際にも、あの人はチームプレーヤーじゃない、という評価は致命傷。最近はどこの会社も組織がフラット化されて、プロジェクト型だったりクロスファンクショナル(いろんな部署が参加するやり方)だったりなので、部署や立場の違う人達とスムーズに仕事を進める能力が必要とされます。私個人の経験では、ここは日本人であることが非常に役立ちました。なんてったって日本は和の国です。ハーモニーを築く手法は子供の頃から叩き込まれていますから。お陰様でプロジェクトマネージャーとしての手腕は高く評価してもらえました。

 

3.敵を作らないこと

これは2で書いたことにも通じますが、やっぱり敵を作ってしまうとどこでつまづくか分からないです。実際私が経験したことをお話しします。ある日昔のドイツ人上司から電話があり何かと思ったら、彼が出した社内公募の求人に私の以前の同僚が応募しているとのこと。大きな会社なのですが、長年働いていると知り合いも増えてこのような問い合わせも来るのです。で、実はこの元同僚、なんと私が以前担当していたプロジェクトを引き継いだ人なのです。ただ問題は彼はとても横柄で傲慢。引継ぎ中もメモもとらず、後で聞いたところ案の定プロジェクトチームからの評判も悪いとか。当然私も彼のことは良く思っておらず、問い合わせをくれた元上司には「ごめんなさい、コメントはしなくても良いですか?」とひと言伝えました。まあそこらへんは良くできた人なので、理解してくれ世間話だけして電話を切りました。英語でburn bridge (橋を燃やす)と言いますが、本当に気を付けないといけないな、と心から思った経験です。

 

4.自分の要望をきちんと伝えること

周りとうまくやっていくと同時に、自分の考えもきちんと伝える必要があります。日本では阿吽の呼吸とか、空気を読むとかいう高度な技を使える人が多くいますが、アメリは移民の集まりですし、私にとっての常識は彼らにとっての非常識。言わなければ分かってもらえませんし、黙っていたら賛成しているんだろうなととられます。自分の意見を分かりやすく、なぜそれが会社にとって有益であるのか、他の人達にどのようなメリットをもたらすのかをきちんと説明して理解してもらう必要があります。別にここで絶対に賛成してもらおうと思わなくても良いのです。agree to disagree (同意しないことに同意する)という言葉があるように、大切なのは自分の立ち位置を明確に伝えることです。

 

5.運

で、まあいろいろ書きましたけど結局これですね、運。ラッキー!ってやつ。私は本当にラッキーでした。上司に恵まれ、同僚に恵まれ、部下に恵まれ。ただ言えることは、運を掴む努力を怠ってはいけない、ということです。Luck is preparation meeting an opportunity.   チャンスが回ってきた時にそれを掴めるかどうかは、日頃の努力次第だと思います。運を掴むにも、生涯学習は有効だし必要であると思います。ちょっと今閉塞感のある人や、ツイてないなー、と思う人はちょっといろんな勉強をなんでも良いから始めてみてはどうでしょうか。視座が上がるとまた違う景色が見えて、チャンスが巡ってくるかもしれません。私がそうだったように。

 

読んでくださってありがとうございました。感想など、コメントいただけたら嬉しいです。