お気楽シリコンバレーライフ

シリコンバレーで働くサラリーウーマンの思うところ、いろいろ

アップルって凄い会社だな、と思う理由

ちょっと勢いは緩まってきたみたいだけど、アップルはいまだにブランドとして凄い存在感がありますよね。私は特にアップル・ファンというわけでもなく、そんなに興味のある会社でもありませんでした。

で、すごいなこの会社、と思ったきっかけはMBAの授業でアップルの財務諸表を見た時。この会社、すっげ~!!と、感動にも似たものを覚えました。いや~、財務諸表みてこんなにワクワクしたの、久しぶり。

ワクワクしたのは損益計算書の方じゃないです。販売だの、研究開発だのの活動が反映される損益計算書は派手で当たり前。こんだけアイフォンが売れてるんだから、売り上げや利益が増えてることは想像できたし、ま、予想を裏切らないすごさでした。

私が超感心、そして、感動したのは貸借対照表の方。これ、すごいよ。会社がいかにちゃんと運営されてるかって、貸借対照表に反映されると私は思っています。無駄なく在庫管理して、締め切り前に集金して、集めた現金を次の投資につなげて将来の売り上げに繫げていく。こういう地味な作業をきちんとできてる会社って、あるようでなかなかないと思います。その点アップルは、売り上げの派手さに目がいきがちだけど、売り上げが増えてるのに売掛金の残高が増えてないし、在庫の残高も増えてない。業者への支払いもかなり交渉してるみたい。キャッシュ・コンバージョン・レートもお見事!これは凄いです。研究開発、販売、そしてオペレーションが全部うまくいってる会社の見本ですね。素晴らしい!パチパチパチ(拍手)

スティーブ・ジョブズがティム・クックを後任に指名したとき、なんでサプライ・チェーンの人を後任にするんだろうって思ったけど、さすがジョブズ、慧眼ですね。オペレーションのプロを後任に据えたおかげで、アップルの現金残高増える増える。

で、あふれんばかりの現金のおかげででっかい本社を建設中のアップル。実は、私の住んでる所からまーっすぐ車で10分くらい行くとぶち当たります。アップルで働きたいか、と聞かれれば、ちょっと迷うな~。スティーブ・ジョブズの本を読んで、こんな横暴な人の会社なんて絶対に働きたくない!って思ったし(笑)同僚の近所の人がアップル勤務だけど、聞かされる話が結構すごい。アップルのお偉いさんが新商品をリリース前に試していて致命的なバグを発見。役員級の社員に届くまでバグが発見できなかったプロダクト・マネージャーはその場でクビ。エンジニアは中国の工場へ行くのに片道切符を渡されて、問題が解決するまで帰ってくるな、と。まあ、ちょっと誇張も入ってはいるでしょうが、それに近い雰囲気なんじゃないかな、とは思います。私には無理だわ、そういう職場。

ちょっと話が逸れちゃいましたが、そういう厳しさがあるからこその、立派な財務諸表なんでしょうね。