お気楽シリコンバレーライフ

シリコンバレーで働くサラリーウーマンの思うところ、いろいろ

ダイバーシティ社会の良いところ

私はアメリカはカリフォルニアのシリコンバレーと言われるところに住み、そしてドイツに本社のある会社で働いています。ほんでもってアメリカで働き始めて20年近くになりますが、ずーーーーーーーーっと、職場で日本人一人だけっていう環境でございます。

一緒に働いている同僚はそれこそ国籍、出身地など様々で、ヨーロッパ、南アメリカ、アジア、それはそれは聞いたこともないような国の出身者もいます。

で、ダイバーシティな毎日をずっと過ごしている私ですが、ダイバーシティ社会の良さのひとつは日本の良さを再確認できることでしょうか。私は日本で生まれ育ち30代前半まで過ごして、日本は平和で安全で豊かで清潔で風光明媚で食べ物がおいしくて(もういい!!)良い国だということはわかってましたけど、いろんな人の話聞くといかに日本人が恵まれているのかがよく分かります。

部下のキューバ人女性:彼女は16歳の時に政治難民として逃れてきた両親と共にアメリカに来ました。アメリカに来て感動したことは、Doveというブランドの石鹸の匂い。Doveの石鹸を初めて使い、「なんて良い匂いなんだろう!!!」と心の底から感動したそうです。私は日頃、自分の生い立ちが貧乏だったな~、と「私って可哀相」的に思っていたのですが、花王の良い匂いの石鹸くらいは買えたぜ!!やっぱり日本は豊かなんだな、って小さなことだけど思いました。

同僚のサラエボ人:彼はサラエボからの難民としてアメリカに来ました。彼の話によると、住んでいた街が戦場となってしまい、ある日戦闘が始まって寝室に家族と弾丸をよけるために伏せていたにもかかわらず、横にいたお父さんが銃撃にあってしまい亡くなったそうです。平和な日本では考えられないできごとだけど、こういった経験をしている人達は今も世界のどこかにいるのです。

同級生だったウクライナ人:旧ソ連の支配下で育った彼は、西側諸国は悪だという教育を受けたそうです。でも親戚の女性がカナダに住んでおり、写真を見せてもらうとみんな綺麗な格好をしているし、生活も豊かそう。で、機会をみてウクライナを逃れ、カナダに着いたそうですが不法滞在ということで国外退去の憂き目に。そして、なんと歩いてアメリカに逃れてきたらしいです。(ことの詳細はあんまり根掘り葉掘り聞けませんでしたけど。)彼の話を聞いた時、思わず「うわ~!すごいドラマチックな人生だね。私の人生なんてあなたの話に比べたら本当に退屈だわ。」と言うと、苦笑して「いや、あんまり良い経験じゃあなかったよ。ホームレスシェルターに入ったりしてさ。」って呟いてました。それ以上はあまり多くを語りたがりませんでした。

こういう話を聞くと、「私、本当に日本に生まれて良かった~。ラッキーだった~。」って心から思います。小さなことで不平不満を言っている日本人に、この人達を会わせてあげたい!

で、もうひとつダイバーシティ社会の良いところは、いろんな経歴を持つ人達の集まりなので柔軟性があり、セカンド・チャンスがある、ということです。

部下のキューバ人の女性は、アメリカに移住後大学に進学し、うちの会社に将来の管理職候補として就職しました。サラエボ人の同僚は、工場勤務をしながら大学に通い、今ではエンジニアとして働いています。ウクライナ人の同僚はCPAの資格をとって転職を果たし、年収も2倍になり家族とバケーションに行けるようになったよ、との嬉しい近況報告を最近メールでくれました。

なんか良いよな~、こういうアメリカン・ドリーム。

そして平和で安全な日本で生まれ育った幸運に感謝です。