お気楽シリコンバレーライフ

シリコンバレーで働くサラリーウーマンの思うところ、いろいろ

2018年もシリコンバレーがイケそうな3つの理由

明けましておめでとうございます。11月末から12月にかけて仕事と遊びに何かと忙しく、すっかりブログもサボってました。いや~、毎日ブログ書く人って本当にすごいですね。それだけで尊敬しちゃいます。

12月は私の誕生月でもあるので、自分への誕生日プレゼントとして30年ぶりにラスベガスに行って来ました。当然ですが30年前と比べてラスベガスは超進化していて、本当に大人のディズニーランド。べラジオの噴水が見える部屋に泊まったので、15分ごとにある噴水のショーをすっかり堪能して来ました。

で、進化していると言えばシリコンバレーもあちこちで工事があって、全米、そして世界中から人が集まってきている感じがします。州外から引っ越してきたらしい他州のナンバープレートをつけた車をよく見かけるし、渋滞も毎年ひどくなっています。車なしでは生活ができないので、人口が増えると自然と車の数も増えて渋滞がひどくなるのです。いろんな会社が新しいオフィスをシリコンバレーに置くことを決めて、どんどん人を採用し、その人達が住む住宅が必要になるのですが、住宅の供給も追いつかなくて家の値段は上がる一方です。私の住んでいる地区はヒスパニックが多くて、比較的値段の手頃な家が多いのですが、それでも土地付一戸建てだとたいした物件じゃなくても1億を軽く越すようになりました。

ここまで家の値段が高くなると出てくるのが、高い住居費、税金、そして渋滞に疲れてみんなシリコンバレーから離れていく、という説。そして、もっと物価の安いテキサスにみんな引っ越して第二のシリコンバレーができる、という説。

ま、外から見てると説得力のある理論かもしれませんが、私の個人的な感覚としてはそんなことはないんじゃないかな、と思っています。

シリコンバレーがなくならない大きな理由のひとつに、人間の行動は理論的ではない、ということがあると思います。

理論的に考えるとシリコンバレーはめちゃくちゃ住みにくいです。特に家族持ちには。普通の小さなアパートでも家賃が30万以上するし、渋滞はひどいし、人は多いし、夜遊びする場所もろくにないし。若い人達だけではなく、けっこう年をとった人でも家賃を節約するためにルームメイトと住む人が沢山いるというニュースを最近見ました。うちの近所を歩いていても、一軒の家の前に何台もの車が駐車していて何人もの人が一軒の家をシェアしていることがわかります。

テキサスなど家の安い州に引っ越せば、広い家に安く住めて快適な生活が送れるのに、なぜ他人と部屋をシェアしてまでシリコンバレーに住みたいのか。いくつか理由を考えてみました。

1.エスニックのエコシステムが確立されている

これはどういうことかと言うと、シリコンバレーには様々な人種の人口が多いので、アメリカ人ではないマイノリティーにも住みやすい環境が整っているということです。例えば日本人コミュニティー。日本から様々な会社がシリコンバレーに進出しているので、日本人の人口もそれなりに多く、日本のスーパー、日本人の医者、歯医者、美容師などなど、日本にいるのと変わらない生活がそれなりにできます。これは他のマイノリティーである、中国人、韓国人、インド人にとっても同じ。私は以前サクラメントで白人の囲まれて生活して、日本人とはほとんど接触のない生活を送っていたので、日本のインフラが整っているシリコンバレーのありがたみが良くわかります。私の場合、英語には不自由しないので日本のインフラがある場所に住む必要はないのですが、それでもフラッと日系のスーパーに寄ってお弁当を買うことができるのは本当に便利でありがたいことだと思うのです。こうしたエコシステムはある程度の人口が集まらないと成り立ちませんし、確立されるまでにはある程度の年数がかかります。そして人を惹きつける強力な磁石のような役割を果たすのです。

2.それなりにお給料が高い

物価も高いですけど、それなりにお給料も高いので、工夫して節約すればそれなりの生活をすることができます。特にソフトウェアのエンジニアだと、大学を出てすぐでも10万ドル近い年収のオファーがあります。若い人はたいていアパートをシェアして家賃を節約するか、実家がシリコンバレーにあるとそのまま親と一緒に住んで、自分の収入を貯めて家を購入する際の資金にすることもできます。私はお給料の低いアシスタントから働き始めて今に至る過程で学んだことは、節約も大切だけど収入を増やすことの方が資産を増やすことに効果的である、ということ。以前誰かが、年に6万ドル稼いでワークライフバランスを目指すんだったらコロラドとか行った方がいいよ、って言ってましたが、年収6万ドルだとリタイヤできるだけの資産を形成するのにかなり年数がかかります。それならシリコンバレーでバリバリ稼いで、節約しながらお金貯めてリタイヤした方がいいかも、って思うのです。

3.面白い仕事がある

これは日本の大都市でも同じだと思うのですが、やっぱり面白い最先端の仕事はシリコンバレーにある本社機構に集まるのです。物価の安い他州にあるのはコールセンターやオペレーションセンターなどの、頭数は必要だけど比較的誰にでも勤まるような仕事が大半。シリコンバレーだと人件費が高い分、ビジネスに繋がる仕事をしなければならないので、いわゆるKnolwedge Work,頭をフルに使う知的産業があちこちにあるのです。知的産業に関わるのは高度な教育を受けて世界中からリクルートされてきた人達。その人達が毎日切磋琢磨して新しいアイディアを出し合い、競い合っている風景があちこちで繰り広げられているのです。で、そういう人達の話を聞く機会もいろんな場所であります。一度こういう環境で仕事をしてしまうと、他の環境で仕事をすることがつまらなく感じてしまうんじゃないでしょうか。

 

シリコンバレーにはこういったお金の価値だけでは測れない魅力があると思うのです。そしてこういった、魅力がシリコンバレーに人を、そしてビジネスを惹きつけるのでしょう。いったんこの魅力にハマッた人達は、高い家賃を払いながら、高速道路の渋滞に文句を言いながらも、シリコンバレーで働き続けると思います。

そして、そういった人達がわんさか引っ越してきてるので、今年もシリコンバレーは安泰なんじゃないかな、って私は思ってます。

ちなみにこれ、シリコンバレーのあるサンタクララ郡の人口統計。2010年から2016年にかけての人口増は7.7%でした。

www.census.gov

1月の最初の週も終わりに近づいてきました。そして、出張のスケジュールも入ってきました。今月はテキサスとノースカロライナに行くことになりそうです。今年も忙しく、楽しい1年になりそうです。

今年もよろしくお願いします!