お気楽シリコンバレーライフ

シリコンバレーで働くサラリーウーマンの思うところ、いろいろ

女性が管理職になるべき5つの理由

アメリカは今日から秋らしい。昨日の夜シアトルから帰って来たのですが、サンフランシスコ空港の外に出て「さむッ!!!」今日はシリコンバレー、秋晴れのとっても良い天気だったんだけど、空気はピリッとしていてすっかり秋の雰囲気。いいな~。この季節、大好きです。

シアトルも先週まではけっこう暑かったらしいけど、月曜日の夜中(っつーか、飛行機が遅れてシアトル着いたの午前1時)着いたときにはすっかり寒かったです。

以前書いたかもしれないけど、うちの会社は9月が年度末。シアトルのオフィスには私の部署で働いてくれている部下の男性が一人いて、今回の出張の主な目的は彼の人事考課。今年度の仕事ぶりを振り返ってもらい彼の視点からの話を聞き、来週行われるディレクターレベルでのラウンド・テーブル・ディスカッションの参考にします。

ほいで、今回は管理職になって良かった事について。日本の女性は管理職になりたがらない傾向があるらしいけど、個人的な意見としては機会があったら管理職になった方が良いと思います。

そこで、私が女性も管理職にどんどんなれば良いと思う理由を私の経験から5つほど。

理由その1 自分の好きなように仕事が進められる

私が管理職になって一番良かったことは自分の好きなように仕事が進められることです。もちろん上司がいるので、上司との折り合いはつけなければいけませんが、ある程度権限を与えられているので自分の価値観を前に出して仕事をすることができます。誰にどのように仕事をふるのか、ミーティングをどのタイミングで入れるのか、優先順位をどのようにつけるのか、ほとんどは自分の都合で決められます。なので時間の融通もつけやすい。自分が好きなように、というか、チームとの折り合いをつけながらある程度自分の価値観で仕事を進めることができるので、管理職になって本当に仕事が楽になりました。

理由その2 同じ事を言っても受け止められ方が違う(意見が通りやすい)

ディレクターとして新しい職場で働き始めた時新鮮だったのは、同じことを言っても受け入れられる頻度が違うということです。平社員でいたときは私が正しいと思ったことを言っても、真剣に受け止めてくれる人がいたりいなかったり、ひどいときには無視されたりしたのですが、ディレクターという肩書きで物を言うと、とりあえず私の言うことを聞いてくれる。もちろん筋道が通ってないと反発くらいますけど、自分の意見が通りやすくなったのはありがたかったです。とくに理不尽な理屈を我が物顔で振り回すマネージャーに「それ違うんじゃない?」って対等、もしくは上の立場から言えることは大きいです。

理由その3 今まで行けなかった会合に行くことができる

ディレクターになってからは、直接経営に関する会議や将来の幹部候補生対象のトレーニングなどに参加する機会が増えました。本社から来る役員を招待してのディナーなどにも参加し、親交を深めることができます。また、うちの会社はグローバルで展開している会社なので、アメリカだけではなく他の地域、アジアやヨーロッパなどで行われる会合に参加できる機会も与えられます。社内だけでなく社外でも、CFO対象のセミナーなどに無料で招待されたりすることがあります。こうした会合はネットワークを広げる上でも役に立ちます。

理由その4 今まで会えなかった人達に会うことができる

今まで行けなかった会合に行くことができるようになると、今までは直接会えなかったお偉いさん達にも比較的容易に会うことができたりします。以前本社から来たCEOとCFOを囲んでのディナーがあり、なんと偶然にも私の右にCEO、左にCFOが座るということがありました。CFOに直接どのような経緯でCFO職についたのか、などという話を聞くことができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。唯一の後悔はCEO,CFOに挟まれた状態でセルフィーを撮らなかったこと!一生の不覚でした。

理由その5 人の成長に貢献ができる

一般的な女性の傾向として、自分のためだけに働くのではなく人のために役立ちたい、というものがあります。管理職になるとこれができます。その昔、以前勤めていた会社の大先輩と飲んでいたときの話。彼が言うには、「僕はサラリーマンとしては比較的幸せな人生だったけど、唯一後悔していることは頑張って出世しなかったこと。今、才能があるのにくすぶっている若手を見て、自分に権限があったら引き立ててあげることができたのに。それができない自分がもどかしい。彼らののために、もっと自分が頑張って出世しておけば良かった。そうしたら彼らを助けることができたのに。それができないのが唯一の後悔だ。」と、その大先輩がおっしゃっていました。この出来事があったのは20年ほど前ですが、私はその時の会話を鮮明に覚えています。そして、この会話が私が出世したいと思う原動力のひとつとなりました。そして、自分のチームを持って働く今、それが実現できています。例えば、他部署に勤めていた非常に実力のある女性が上司とソリが合わなくてやめるということを聞いた時、たまたま空いていた私の部署のポジションを彼女にオファーすることで彼女を引き止めることができました。そして現在、彼女は将来の幹部候補となるまでに成長しました。ポテンシャルのある人に機会を与え、輝く場を用意することは管理職にしかできないことです。そして人の育成は本当にやって良かった、と思える充実感のある仕事です。女性は人を育成することに関しては男性よりも向いている人が多いと思いますし、子育ての経験が生かせる仕事であると思います。

お給料が上がることももちろん管理職になって良いことだったりするのですが、私にとってはこれらの理由が管理職になることを女性に勧める理由です。

私にできるかしら、と迷っている人には「とりあえずやってみれば?私にできたのなら、あなたにもできるわよ。」とエールを送りたいです。

管理職になること、お勧めです。