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シリコンバレーで働くサラリーウーマンの思うところ、いろいろ

「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」の感想

 私は韓国に出張する時に日本に寄る事が多いのですが、日本の空港で必ず立ち寄るのが本屋。気分次第でいつも何冊か買ってきます。

で、今回買ったうちの一冊がこれ。

中島聡さんの書かれた「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」

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この本の良いところは単なるノウハウ本で終わることなく、時間を制することの意味とその大切さがきちんと、そして熱く書かれていること。そして、他のリーダーシップやら経営学の本にも通じるのですが(結局これなのよね)、「好き」を仕事にすることの大切さが書かれていることです。

アマゾンの書評で一部の読者からの酷評もありましたが、残念ながら中島さんの本当に言いたかったことが理解できていないように思えました。確かにこの本は中島さんの眩しいような成功談がいろいろと書かれています。それらのエピソードを自慢話ととるか、こういう生き方をしたらこんなに素晴らしい人生を送れるんだよ、というメッセージととるかは読み手の姿勢、考え方次第だと思います。

私はIT関連のことに関してはからっきし疎いので、中島さんのことも知りませんでしたし、彼がWindows95のアーキテクトだったことも知りませんでした。この本にも書かれていますが、日本人のファジーな表現(High context) がデジタルな世界にこんなにも生かされていたなんて、感嘆したと同時に、なるほどそうだったのか、と納得もできました。

この本に書かれている仕事を終わらせるためのノウハウは、はっきり言って目新しくはないと思います。最初の10%の時間で8割の仕事を終わらせるとか、プロトタイプをとりあえず作っちゃうとか、朝型の生活に変えるとか、タスクリストを作るとか。私の感想としては、「こんな基本的なことをやってないから仕事が終わらないんだよ。」です。それにこうしたノウハウ的なことは個人差もあるので、参考にはなりますが100%実行しなくてもそれなりに効率的に仕事ができるようにはなるでしょう。この本は仕事が終わらない人向けに書かれているので、仕事を締め切りに終わらせることを常とする人達には自分達のやっている仕事のやり方は間違っていなかった、という確認になると思います。そして、本当に「仕事終わんね~~!!」と仕事に追いかけられている人達には、とても参考になると思います。

この本の一番の醍醐味は最終章である6章の「時間を制する者は、人生を制す」です。この章に行き着くまでにへたばっちゃわないで、是非ここまで読んでください。で、中島さんの言ってる意味が良く分からなかったりピンと来なかった人は、とりあえず彼の勧める行動をとって、何ヶ月か後に読み返してください。彼が言うように私もいやいや仕事をしている人で成功した人を見たことがありません。どの分野でも大成する人というのはその仕事が好きで好きでたまらない人達だと思うのです。そこらへんはMarcus Buchkinghamが”First, Break All the Rules"という本に書いているので、興味がある方は是非読んでほしいと思います。この本、日本語でも「まず、ルールを破れ」というタイトルで翻訳されているみたいです。(今、ググりました。)この本は本当におもしろいです。私が薦める本に必ず入れています。

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読んだ後に思ったのですが、中島さんのような働き方をする人、実は女性にたくさんいると思うのです。特にワーキングマザー達。彼女達は保育園に送る、または迎えに行くという待ったなしの締め切りが毎日あり、その締め切りにどうやって間に合わせるかを頭をフルに使って考えているので仕事の効率も非常に良いと思うのです。(もちろん全員が全員そうじゃなくて、傾向としてですよ。)

私もその一人でした。仕事をしながら子育てというのは時間に追われるものなので、寝ても醒めてもどうやったら時間を節約できるか、仕事を早く終わらせるかを考えていました。そのおかげで効率的に仕事をする考え方やノウハウが身につき、その後の働きながら大学に通うというライフスタイルにも非常に役立ちました。私の部下の人達の働き方を見ても(アメリカ西海岸での話ですが)、やはりワーキングマザーはさっさと仕事を終わらせて締め切りをきちんと守る、もしくは締め切りよりも早く提出してきますし、無理そうな場合には優先順位をどうするか相談してくれます。(これ、上司としてはすごい助かる。)逆にラストスパート志向は男性に多いような・・・。これも傾向であって、個人差がかなりありますので一概に言えませんが、女性のマネージャーだけでミーティングすると、あっと言う間に話がまとまったりしますよ(笑)

かなり話は逸れちゃったので、本の感想に戻ります。この本は読み物としても面白く、マイクロソフトの内輪話とかビル・ゲイツのエピソードなども面白かったです。あと一番受けたのは、中島さんが学生時代に開発したプログラムで一億円くらい稼いだのに、そのお金を銀行に預けたまま忘れてしまい、後年家を買うときになって奥様にそのお金のことを言ったところ「いままで一生懸命節約してやりくりしていたのはなんだったのか」と奥様に怒られたこと。これって職人肌のエンジニアらしいエピソードで笑っちゃいました。

おすすめの一冊。読む価値ありです。