お気楽シリコンバレーライフ

シリコンバレーで働くサラリーウーマンの思うところ、いろいろ

大学経営も結局はビジネス

日本では少子化に伴って大学の経営難が2018年問題として話題になっているようです。

大学が経営難に陥るケースはアメリカでもあり、やはり時代に合わせていかないと破産に追い込まれる大学もあります。何を隠そう私の母校のサンダーバードもやばいとこまでいきました。すったもんだあった末にアリゾナ州立大学に救われたんですが、どこの大学でもMBAが学べるようになってMBAホルダーが量産されMBAの価値自体が下がってきていることもあって、サンダーバードのように小規模の大学は生徒集めに苦心するようになり破産寸前までいきました。

じゃあハーバードとかスタンフォードなどの一流どころは悠々と構えているのか、というとそうでもなさそうです。

スタンフォードで行われたイベントに先日参加したことは以前のブログに書きましたが、イベント以上に感心したことはスタンフォードの猛烈な売り込み。イベント会場にはスタンフォード主催のExecutive ProgramやらMBAのプログラムやらのパンフレットが山積み。司会者もスタンフォードの様々なプログラムを次々にプロのセールスなみの饒舌さで参加者に勧めるし。スタンフォードの今日中がウェブで行うセミナーもたまに見たりするのですが、たいてい関連したプログラムがあり「まだ受け付けてますから、是非参加してください!」って呼びかけがあるし。ちなみにエグゼクティブプログラムのお値段は安いものは1万3000ドル(日本円で150万くらいですかね)から、高いものになると7万ドル近く。そりゃあ、売り込みにも熱が入るわな。ちなみにスタンフォード大の学費はご存知でしょうが涙がチョチョ切れるくらい高いです。学費だけで年間5万ドルくらい。スタンフォード卒業した人に会うと思うことは(1)親が金持ちなんだろうな。(2)学生ローンの借金いくらあるんだろう?(3)どのスポーツで奨学金もらったのかな、の3つ。それにしても学部や大学院でもけっこう稼いでいるだろうに、それに満足せず社会人向けのプログラムも高値でガンガン売るこの強欲さ。大学経営の見本みたいな大学ですな。

もうひとつ、こんな大学でもお金集めに奔走しているのか!と、驚いたのがアメリカの大学の最高峰。なんと、ハーバード大学。

シアトルに行く飛行機で隣に座った女性と話していて、仕事は何をしているのかと聞いたら「ハーバード大学で働いている。」と。彼女の仕事はハーバードの卒業生を対象に様々なプログラムを販売促進したり寄付金を募ったりすることだそうです。(ちなみに彼女自身はUCバークレーでMBAを取得。)

これ聞いたときは唸りました。お金のある大学はそれなりの努力もしているんだ、ということを目の当たりにした気持ち。ハーバードやスタンフォードだったらドーンと座って待っているだけで何もしなくてもに生徒達が集まってきてジャカジャカお金儲けできそうな印象ですが、どうやらそうではなく彼らは彼らなりにリソースを駆使してプログラムを売り、寄付金を集める努力をしているようです。お金持ちはこうしてもっとお金持ちになっていくんだな~。

日本の大学も少子化で若者だけをお客さんにしていたらやっていけないと気付いたらしく、社会人に向けたカリキュラムをいろいろと提供しているようですが、スタンフォードやハーバードを見習ってなりふり構わず頑張っていただきたいと思います。もちろん魅力的な商品(魅力的な教授陣やプログラムの内容など)がある、というのは大前提ですが。