お気楽シリコンバレーライフ

シリコンバレーで働くサラリーウーマンの思うところ、いろいろ

スタートアップのためのオフィス Plug and Play

私はシリコンバレーに住んではいますが、エンジニアでもなくスタート・アップで働いているわけでもないので、普段の生活は全然シリコンバレーに住んでいなくてもできるでしょって生活です。

でもシリコンバレーライフなんてタイトルつけてるブログなんだから、ちょっとはシリコンバレーっぽいこと書きたいな、と思って行って来ました、プラグアンドプレイ。

plugandplaytechcenter.com

ここはスタートアップの会社が集まるオフィスなのです。サンダーバード(私が卒業した大学院)の集まりで知り合った人がプラグアンドプレイにあるスタートアップで働いている、ということを聞きつけ、オフィス見せて~!ってお願いして押しかけました。

まずはオフィスの外見から。外から見るとなんてことはないオフィスビルです。

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で、なぜか入り口のドアの前にでっかい仏陀がおいてある・・・・。なぜだ・・・・。

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で、ビルの中に一歩入るとこんな感じ。スタートアップやスポンサーなどのプレートが所狭しと飾ってある。

 

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で、彼女が働くスタートアップはフランス人が始めたビジネスなので、働くチームも大半がフランス人だとか。ランチする約束で行ったんだけど、彼女いわく「今日は金曜日でアペリティフの日なの。」ですと。

で、チームが働くスペースにお邪魔するとこんな感じでみんな談笑中。「ワインとシャンパンとどっちが良い?」と、聞かれ。うわ~、フランスやな、って思っちゃいました。昼からワインとシャンパンかい?しかもオフィスで?コンサバなうちの会社じゃ考えられない(笑)さすが、スタートアップ。

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このスタートアップの創業者にも紹介してもらい、創業者とスペインから来ていたらしいビジネスパートナーっぽいひととの会話を聞いていたんだけど、まあ、物事を進めるスピードの速いこと、速いこと。新幹線も真っ青。

創業者「来てくれてどうもありがとう。あとはそこに座ってるフィリップと話して。彼スペイン語話すから、直接スペイン語で大丈夫だよ。」

ビジネスパートナー「わかった。いつから始められる?」

創業者「早ければ早いほどいいよ。」

ビジネスパートナー「来月でどう?」

創業者「今6月だから、7月からだね。わかった。7月1日から始めよう。」

早っ!!!それって再来週じゃん!!10日きってる!

思わず「決めるの早いですね~」って言うと、スタートアップはどんどん決めなきゃ。」って笑顔で言ってるし。さすがだ。

シャンパン一杯ご馳走になって、カフェテリアへ。ここはグーグルとは違い、ちゃんとお金を払ってサラダをオーダー。

ビルの2階にオープンスペースがあって、こんな感じで気持ちいい~!!

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このビル、私の住んでいるコンドミニアムの近くにあって、何度も通りかかったいたんだけど、こんなに沢山の人達が働いている場所だとは知らなかった!

ちなみに彼女のスタートアップ、パナソニックもスポンサーの一人で、パナソニックから派遣されて来ている人もいました。フランス人だけど。

スポンサーになっている日本企業もいくつもあって、あ、けっこう日本企業も頑張ってるんだなって、ちょっとうれしくなりました。

オフィスの壁には落書きが一面にしてあって、日本人の名前も見つけました。他にもいろんな国の人達の落書きがあって、とってもグローバルな感じ。これ、大和証券のCEOってあるけど、ほんとかな?

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オフィスのドアにはイベントとして、こんな張り紙がしてあります。

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初めて訪れた、これがスタート・アップだぜ!!って雰囲気のオフィスでしたが、本当にみんな楽しそうに働いていたのが印象的。大変そうだけど、楽しそうだよね。

今度はスポンサーを募るようなイベントなどにも行ってみたいと思います。

 

ウィーチャット(微信)がすごく使えるらしい

 今日は台湾人の友人と飲茶ランチ。

彼女の妹はグーグラーで、マウンテンビューの本社から出身地である台北オフィスに行き、今はグーグルの上海オフィス勤務。で、この妹が出張でベイ・エリアに来ていたので、友人の妹と、さらに彼女の台北チームの元同僚(同じくベイ・エリアにたまたま出張中)も加わり、4人でランチとなりました。

で、話題の中心は友人妹の上海ライフについて。

台湾人と中国のことを話していておもしろいな~、と思うのは、彼らも中国を「外国」として話すこと。日本人が中国のことを「自分の国以外の国」と扱うのと同じ感覚で、台湾人も中国のことを話します。お恥ずかしいことに私は中国情勢などにはあまり興味がなく、台湾も香港のような感覚で中国の一部のように捉えていました。

が、それは大間違い。

中国語を話す同僚に「あなた中国人なの?」と聞いたら、きっぱりと「違う。私は台湾人です。」って言われたことがあります。

この友人の妹さんも、「まったく中国人はこれだから嫌だ。」みたいなことをいろいろと話すのです。まるで日本人が「ったく中国人はマナーが悪くて」って言ってるのと一緒。

彼女いわく、国が広いので駅など全てが大きく、駅の乗換えでも長い距離を歩かなきゃいけないから疲れる。なにをするにも中国人の応対は「できない。」(人数が多いから対応するのに疲れちゃうんじゃないか、というのが彼女の分析)から始まって、交渉が延々と続くから疲れる。で、「できない」というのも聞く人次第で、たまたまお願いした人が良い人だったり、機嫌が良かったりすると他の人がだめだと言ったことでも大丈夫だったりする(笑)。一事が万事、こんなことだから疲れる。あと、やっぱり人が多いから、少しでもスペースが開いていると割り込んできてムカつく。で、生活していくにおいて、全てにおいて疲れる、とのこと。

ま、人数が多いのは事実ですよね、特に上海のような都会だと。先日話を聞いた上海の郊外にある病院、扱う患者数が一日に一万人(!)って言ってたもんな~。桁が違う。

で、一通り中国と中国人の悪口を言ったところで我に返った彼女が、「悪口ばかり言ってたけど、いい所もあるよ。」と挙げたのがキャッシュレス社会。携帯、というか微信(ウィーチャット)でなんでも支払いができちゃうそうです。私はウィーチャットというとラインのようなアプリかと思っていたのですが、ラインにあるようなメッセージ機能以外にも、電子マネーとしてみんな活用しているとか。ランチに行くときもお財布は持っていかないと行っていました。そしてお店によっては電子マネーのみを受け付けて、現金はダメというお店もあるとか。

「旅行者とかはどうするの?」と聞くと「お客さんはいくらでもいるから、電子マネー持ってない人は無視しても、次のお客さんが来るから気にしないんじゃない?」(笑)ですと。また、友人同士でお金を送りあうこともでき、割り勘をする時にも誰かがまとめて払い、あとから友人同士、ウィーチャットを使ってまとめて払ってくれた人にお金を送ることができるそうです。

「いろんな使えるアプリの機能を集めたのがウィーチャット」みたいです。

日本にはお金をやりとりできるアプリがどうか知りませんが、アメリカではVemmoというペイパルがやっているアプリがあって、友人同士で簡単にお金のやりとりができます。(確か上限は3000ドル。)しかも手数料は無料。だからわざわざ銀行に行って手数料払ってお金を送るなんてことはしません。ウィーチャットはLINEでもあり、Vemmoでもあり、フェイスブックでもあり、といろんなアプリの機能を凝縮したようなアプリですね。

気になったのは誰が運用しているんだろう?っていうこと。「大きな会社は必ず政府が関わっているわよ。」ということは、中国政府は国民達がどんなメッセージを送りあって、そして何にいくらお金を使っているかをウィーチャットを通してモニターすることができるわけですよね。それを言うと「そんなこと気にしてたら中国には住めないわよ。」と。ごもっともです。

ま、プライバシー云々はどうなの?っていう疑問は残りますが、こんなに使えるアプリ、日本でも早いこと作ってもらえませんかね。特に電子マネー機能。(国際女性ビジネス会議の後遺症です。しつこくてすみません。)

ランチの飲茶は本格的なワゴンでゴロゴロ回って来るスタイル。お客さんの大半が中国語を話す人達で、お値段もお腹いっぱい4人で食べてチップ入れて80ドルほど。非常にお得でした。ベイエリアにお越しの際は、是非どうぞ。

https://www.yelp.com/biz/new-port-restaurant-sunnyvale

 

 

 

 

国際女性ビジネス会議(追記)

クレカでの支払いはできないのか?ってメールで問い合わせをした国際女性ビジネス会議。

案の定、慇懃無礼な文面で「できません。」と。

は~・・・・・。

ここの事務局、海外からの参加者というのを全く想定していないんだろうか?

海外のいったい何割の人達が、銀行振り込みという日本独特のやり方を知っていると思っているのだろうか?

なぜクレジットカードでの支払いという、アメリカじゃ個人でやってる美容師でもスクエア使って処理できちゃうよう基本的なことができなんだろうか?

この会議1000人参加ってあるけど、海外から個人でお金払ってまで参加しようなんてのは、私だけなんだろうか?

ということは、この会議への参加は時間とお金の無駄???

 

と、つらつら思いながら、グローバル・リーダーシップの研修を生業とする先輩に愚痴のメッセージを入れ、気持ちを落ち着かせております。

 

幸い日本にいる友人が、私が日本に行くまで参加費を立て替えておいてくれると言ってくれたので、好意に甘えることにしましたが。

なんだかすごいネガティブな経験からスタートしてしまった国際女性ビジネス会議。また後日、参加の感想を書きます。

 

あ~、ガラパゴスじゃないことを切に願う!!日本での貴重な一日を潰すわけだし。

国際女性ビジネス会議って、すごいガラパゴス

いや~、びっくりしました。最初はびっくりし、そしてガッカリし、今はちょっと頭に来てます。

日経のオンラインをよんでいて、ふと見つけた「国際女性ビジネス会議」の宣伝。イーウーマンを主催している佐々木かおりさんの会社が開催しているイベントらしいんですが、ちょうどアジアに出張する時期と重なってスケジュールがあうのと、内容もまあおもしろそうなので申し込んでみました。

が!!

申込書をウェブで提出してからメールで費用の払い方、みたいなのが送られてくるんですが、これがなんと、日本の銀行に振り込め、と。

冗談でしょ?って思わず我が目を疑いました。

アメリカ(っつーか、他の国でも似たようなもんだと思うけど)、決済はクレジットカードです。銀行振り込みしてくれなんていうイベントは初めて見ましたけど、日本じゃ普通なの?

まず、「国際」とタイトルにつけるからには、海外からの参加者も見込んでますよね。って、それは私の勘違いだったのかな?海外にいる人に対して、日本の銀行に参加費を振り込めって、本気で言ってます?アメリカの普通の町の普通の銀行には、外貨もおいてない所が普通。で、アメリカの銀行から日本の銀行に振り込めっていうのか?そして為替のレートは?アメリカの銀行で日本円でなんて振り込めないじゃん。

クレジットカードでの決済もできない「国際」イベントなんて、ありえない。本当にありえない。あまりにもガッカリ感が大きすぎて、私、行く気なくなりました。

脱力・・・・。

あ~、だから日本は変われないのね。だから日本はガラパゴスだといわれるのね。だからジャパン・パッシングなのね。などなど、いろんな否定的な意見が走馬灯のように脳裏を駆け巡ります。

主催者がこのレベルじゃ、はっきり言って参加者のレベルもしれてるかも。って、申し訳ないけど思っちゃいました。

は~。ため息。

この会議22回目だっていいますけど、今まで海外からの参加者、いなかったんでしょうか?問い合わせやクレーム、来なかったんでしょうか?参加者日本限定にしているんでしょうか?

ほんと、ありえない。

この無力感、というか、「マジかよ???」というビックリ感、海外に住んでいる人ならわかってもらえると思います。日本でしか生活したことない人達が主催しているイベントなんでしょうか。それでよく「国際」とか言えるよな。

Fin Techなんて、まだまだ日本じゃ発達しそうにないな~。日本はハイテクだなんて浮かれてるけど、金融関係はまだまだハイテクどころか超ローテクじゃん。

とりあえず、すぐにクレジットカード決済できるかどうか問い合わせのメールしたけど、5時間たっても返事はまだなし。たぶん慇懃無礼なメールの文面で「できないよ~」って言われるんだろうな。って、良い返事はあまり期待していません。

なんだかすごいガッカリ、そしてガックリした一日でした。

ダイバーシティ・デイ(Diversity Day)

今日は会社でダイバーシティ・デイのイベントがありました。

日本語でDiversity Dayってなんていうのかとググッてみたら、お台場のダイバーシティーが検索結果に出てきて笑っちゃった。

検索結果で唯一的を得ている記事は佐々木かおりさんの解説でした。

diamond.jp

今日のイベントには、他のテネシー州にあるオフィスに勤務しているダイバーシティー・オフィサーも駆けつけて、うちの会社に存在するダイバーシティー・グループの紹介をしてくれたりして、なかなかおもしろかったです。

ちなみにうちの会社にあるダイバーシティのグループは

ヒスパニック系のグループ

アジア系のグループ

アフリカ系のグループ

女性のグループ

若手のグループ

シニアのグループ

軍隊経験者のグループ

LGBT(ゲイ・レズビアンのグループ)

環境保護推進者のグループ

の9つ。私のいる部門では、女性のグループと若手のグループのみが活発に活動しており、今日のイベントでプレゼンテーションしたのもこの2つのグループでした。

(というか、これらの活動はボランティアなので、有志がある程度集まらないと活動にならない。)

私は女性のグループにパネル・ディスカッションのメンバーの一人として参加し、日本人にはどのようなバイアスがあるか、自分自身どんな経験があるかを話しました。

で、バイアスとはちょっと違うのですが、アメリカに来てから文化の違いで苦労したこととして、”No"となかなかはっきりと言えなかったことと話しました。日本では、はっきり「いやだ。」とか「できない。」と意思表示をすることがなく、曖昧な表現でお茶を濁すことが多いですよね。で、相手も空気を読んでくれて、返事は「No」だとわかってくれる。これは当然ながらアメリカでは通用しません。「アメリカに来てすぐは、ノーってなかなか言えなくて、ついOKって本当はノーって言いたいのに言っちゃって、大変な思いもしました。」って話したら、ディスカッションの後にエンジニアの人「こないだ日本のS社と交渉していたときがそうだった。」って話しかけてきました。「こないだの会議で相手の日本人が、難しいけど試してみる、って言ってたんだけど、あれはできないって言ってたんだね。どうりでなかなか話が進まないはずだ」と。これは日本人との交渉でよく聞くコメントです。

おもしろかったのはドイツ人の同僚のコメント。第三国から来ていた非ドイツ人のエンジニアが客先に行ってトラブルを処理したのだけれど、客先にはエンジニアでもないドイツ人の彼(私の同僚)が行って「仕事はちゃんと終わりました」って言わないと、お客さんからの信用を得ることができなかったというもの。「僕は何もわからないのに、ドイツ人というだけでお客さんは僕からの確認をとりたかったんだ。」と。これはドイツだけじゃなくて、日本でもありそうです。若い人とか女性の仕事だと頼りないから、年長の男性が出てきて太鼓判押す、とかね。

ちなみに日本では年齢と性別がものをいうと思いますが、お隣の中国ではそうでもないみたいです。中国人の同僚は、「都会と田舎じゃ違うかもしれないけれど、都会じゃ男女平等だし、だれでも実力があれば認められるわよ。」って言ってました。これを受けて欧米人の同僚は、「日本と中国と同じように見えるけど、全然違うんだね。」って新たなな発見をしていましたね(笑)

アメリカのおもしろいところは、こんなふうにダイバーシティを積極的に話そう、みんなお互いに理解しよう、という姿勢のあるところ。イベントでなにかと忙しい一日でしたが、充実した良い一日でした。

 

日本人はいつから年収を自己紹介の一部に含めるようになったのか?

最近日本のウェブなどで、一般人の投稿を読んでいてふと思ったのですが、年収を自己紹介の一部に含めるようになったのはいつ頃からなんだろう?と、いうこと。

もちろん全員が全員年収を開示しているわけではありませんが、けっこうな確率で年収入りの自己紹介を見ます。

例えば「20代、男性、年収300万です。」とか「夫40歳、年収1000万、妻35歳、年収700万です。」とか。

私が日本にいた1990年代までは年収をこんな風に匿名であっても開示することはなかったような記憶があるのですが。(って言っても、記憶は定かではないが・・・・)

アメリカではあんまりこんな自己紹介が聞かないな~。地元の新聞におもしろい企画があって、1年に一回「みんなの年収公開」みたいな記事があり、様々な職業の人達が写真、そして実名入りで、職業と年収を公開する、という企画があります。私は結構この企画が好きで、「へ~、警察官ってけっこうもらっているんだな~。」なんて楽しんで読んでました。余興で俳優やらスポーツ選手やらも載っていて、その人達の年収はそれこそ億単位(笑)

あと、カリフォルニアでは州に勤める公務員は、お給料が公の情報としてなんと名前入りで公開されているのです。誰がいくら貰っているのか検索するためのデータベースも公開されているし。ちょっとびっくりでしょ。近所の人が州に勤める公務員なら、いくら貰っているのか検索ができちゃいます。

www.sacbee.com

ちょっと話は逸れましたが、(いつものごとく・・・・)年収入りの自己紹介、いつから始まったんでしょうかね?そして、なぜ???

理由を思いついた方、コメント欄に書いておいてください。よろしくお願いします。

 

シリコンバレーのお給料と物価

今日ウェブでこんなおもしろい記事を見つけました。

news.careerconnection.jp

ヤフー本社で働いていた、という人のコメントが出ているんですけど、日本向けにコメントがアレンジされてるかもな~って、感じがするんで私なりの意見もここに書いておきます。

15万ドルということですが、まず年収1800万って置き換えるところからどうなの?ですね。為替はかなり動くし、1ドル80円計算でするか、120円計算でするかで、えらい日本円が変わってきます。だから私はドルのみで話します。

15万ドルもらってれば、ま、独身、もしくは子なしならば、贅沢しなけりゃなんとかなるんじゃない?と、思います。

もとヤフー本社勤務の人が出てきてますが、だいたいサンフランシスコからサウスベイにあるヤフーの本社に通おうっていうガッツのある人は都会に住みたい若者達。サンフランシスコからヤフー本社のあるサニーベールまで、車でゆうに片道1時間以上かかります。なので、たいていみんなシリコンバレー周辺の町(サニーベールとかクパチーノあたり)に住んでます。一番大きな出費はやはり住居費で、2ベッドルールの間取りで最近は3千ドルから4千ドルくらいとられてるみたい。でも、独身、もしくは子なしなら1ベッドルームでも平気だと思うので、家賃は3千ドル以内に納めることも可能だと思います。(普通、こちらで1ベッドルームというと、ベッドルームの他に、ソファなどをおくリビングルームとキッチンが別についている。)

で、次に大きいのは車の費用。私はプリウスを新車で買ったのですが、約3万ドルでした。中古でよければもっと安くてありますが、日本車は中古でも人気があって値段があまり落ちないので、私は新車を買って乗り潰してます。日本のような車検はないので、維持費としてはオイル交換に半年に一度行くくらいで、その費用一回60ドル程度。なので、品質の良い車ならば維持費はあまりかかりません。(だから壊れない日本車は大人気。)3万ドルの車買って、頭金なしのローン組んで、月々の支払いが500ドル弱だったような記憶があります。

家賃3千ドル+車のローン500ドルとして、最も大きな固定費が月に3500ドル。年間で4万2千ドル。15万ドル額面でもらうと、3割強税金で持っていかれるので、手取りは10万ドルくらい。固定費引いた残りが年間5万から6万ドル。ま、ざっくりした計算ですが、大学院出たての若者ならば充分でしょ、と思います。また、若い人達はたいていルームシェアとかをして住居費を節約する傾向にあるし。うちの職場の若者達も、たいていルームメイトと一緒に住んでいます。

じゃ、家族持ちはどうなのよ?と、なると話は別ですね。この記事に書いてあるように、アメリカの大学の教育費は馬鹿高いです。UCバークレーとか、州民でさえ年間1万ドル以上の学費プラス寮費で、年間2万ドルくらい。これ、公立の大学ですよ。私立になると、年間4万から6万ドルくらいします。アメリカには奨学金があるでしょ、って言われますが、娘を大学に行かせた経験から言うと、まず、もらえません。奨学金がもらえるのは親の年間所得が貧困層のレベルにあるような生徒達で、いわゆるミドルクラスの私達には奨学金の恩恵は回ってこないのです。(だからミドルクラスの怒りが爆発して、トランプが選ばれちゃったりする。)また、家も1ベッドルームのアパートなどというわけにはいかず、家も借りなくちゃいけない。シリコンバレーで家を借りるとなると、最近の相場では月に5000ドル以上します。なので、年間の住居費だけで6万ドル。子供が大学の年齢のに達する人達の懐具合は本当に厳しいと思いますよ。

そして、査定を受ける話はけっこうリアルです。全ての会社が定期的に査定をするわけではありませんが、やはり高いお給料を払っている分、能力の見極めも厳しいと思います。エンジニアで仕事できないな~、こいつ、というレッテルを貼られた人達は、遅かれ早かれ職場からいなくなっていきますね。アメリカは機会均等の社会で、そこらへんはフェアですが、仕事の結果をシビアに見られる社会でもあると思います。

この記事のコメントにあるように、技術、責任、リスクは給料に確かに比例しています。でも、東大生達には是非、リスクをとってシリコンバレーに来て、瞬間風速でもいいから15万ドルの初任給もらってブイブイ言わせてほしいな~。数年でクビになっても良いじゃない。クビになるまで質素に暮らして、株とかに余ったお給料投資してお金を増やしておけば、クビになって日本に帰っても何年かは暮らしていけるでしょ。

15万ドルをうらやましがる気持ちはわかりますが、この額はそれだけの貢献も期待されての額であるということを、お忘れなく。