お気楽シリコンバレーライフ

シリコンバレーで働くサラリーウーマンの思うところ、いろいろ

ユナイテッド航空が炎上してますね~

久しぶりのブログアップです。ちょっと最近、仕事、私用、野暮用でバタバタしておりました。ま、そこらへんはまたの機会に書きますわ。

今日はここのところ話題のユナイテッド航空について。日本でもかなり報道されてたみたいですが、こっちでも連日ニュースでやってました。一般人が携帯で現場の状況をビデオに撮って即座にアップできちゃうという時代に、あんな実力行使しちゃったらあかんがな。今回はユナイテッドの現場力のなさがすっかり露呈しちゃいましたね。

今回はなんでこんな事態になったのか。私が考え付く主な理由を二つほど。

1.顧客思考ではなく内向き思考

実は私はユナイテッド航空をよく使っていて、一応プラチナのステータス持ってます。でもね~、サービスなんていっさい期待してませんね。乗務員はたいてい「仕事だからやってる」感満載の態度で仕事してます。お客をお客だと思ってないような行動もしばしば。今回の事件はこんなユナイテッドの社内文化が顕在化してしまった結果なのかもしれません。ユナイテッドの担当者が、お客の都合よりも自分たちの都合を優先した結果、こんなことになっちゃったんでしょう。お金を払って目的地まで行くということを達成したい客。その客のニーズを無視して、自社の社員を乗せるために客を引き摺り下ろしてまで自分たちの都合を優先させた。ま、炎上してあたりまえですわな。

なんで客を降ろしてまで乗務員を乗せたかというと、これは私の勝手な推測なんですけど、ルイビル(この便はシカゴからケンタッキーのルイビルという町まで飛ぶ便でした。)からのフライトを時間通りに飛ばすためなんじゃないかな。(あくまでも推測ね。)アメリカの国内線を定期的に利用してますが、時間通りに飛べない理由が「キャビン・アテンダントがまだ来てないから」とか「パイロットがまだ来てないから」という説明がよくあります。アメリカの飛行機って、長距離バスみたいなもんだから、乗務員もあっちの空港からこっちの空港に飛んで、ほいでもって次の勤務地に飛ぶ、みたいなことよくやってます。で、シカゴみたいな都会と違って、ルイビルみたいな田舎だと行く便数も少ないし、シカゴから乗務員運んでおかないと、ルイビル発の便に不都合がでる。ほいじゃ自分たちにとって都合悪いし上司から怒られるかもしれないから、客が目的地に行きたいと言ってるかどうかなんか無視して、自分とこの乗務員乗せちゃおう。みたいな流れだったんじゃないかな~、なんて勝手に想像しちゃいました。(全然違うかもしれないけど。)

アメリカの航空会社はいかに時間通りに発着するかで評価されたりするから、乗務員不足で離陸が遅れるなんていう事態を避けたかったんでしょう。それにユナイテッドは組合があるから、乗務員が勤務する時間数も限られていて、たまたまルイビルあたりにいる乗務員に「ちょっと人数足りないから乗ってくれる?」なんてこともできないし。

この事件の後でユナイテッドが社内規定を変更して、乗組員の席は離陸の60分前までに確保しておくこと、に変えたらしいけど。変更前はどんな規定だったんだろ?

あと社長のフォローも良くなかったね。お客さんに謝るどころか社員をかばう声明出したりして。どこまでお客を無視してるんだ、この会社は?って感じ。何回も破産しちゃう理由がわかるような気がする。

2.現場の社員の力のなさ

もうひとつ考えた理由が社員の力量、解決力のなさ。この事件、現場の社員の状況対応の悪さが重なって起こったような気がします。ダブル・ブッキングが問題視されているようですが、ダブル・ブッキングなんてのはどこの航空会社でもやってること。それに、航空会社は飛行機の席をいかに埋めるかが利益を出す決め手なので、直前のキャンセルなどを予測してダブル・ブッキングするのはある程度仕方がないことだと思います。問題は、状況をどう把握して、どう管理するか、です。これ、現場の社員の力量で優劣がかなりつきますね。

今回の場合、思ったのはなんで自社の乗務員乗せる前に客を全部乗せちゃったかな~?ってこと。ゲートにエージェントが何人もいるのに、コミュニケーションとかどうやってとってたんでしょうね。だいたいダブル・ブッキングがあるときにはゲートで「300ドルあげるから誰か席譲って」というアナウンスがあるんですけどね、みんな飛行機に乗っちゃう前に。

今回はみんなが乗っちゃってから乗務員の席がないのがわかって、1000ドル報奨金を提示したけど、誰も降りると言ってくれなくて4人を選出。3人は降りるのに同意したけど、どうしても最後の一人が同意してくれなくて、じゃあ、実力行使でってことになったらしい。これ、実力行使したら後がどうなるかって考えなかったのかな?そしてまた、顧客無視の内向き思考が露呈してますね。お客の都合聞くより、空港の保安係呼んで、さっさと降ろしてもらおう、早く飛行機飛ばしたいし、と。もうちょっとゲートのエージェントさん、頑張るべきでしたね。もっと報奨金上げるとか、他の乗客と交渉するとか。

 

今回はユナイテッドが炎上しちゃいましたが、アメリカの航空会社、どこも似たり寄ったりなんで、これでユナイテッド離れが進むってことはあんまりないんじゃないかな。先週ホノルルからサンフランにユナイテッドで帰ってきたけど、ほぼ空席なしのフライトだったし。仲の良い友達は二度とユナイテッドには乗らない!って憤慨してたけど、一年に何度も飛行機乗ることない人だから、あんまりユナイテッドにとっては影響なし。それに、ユナイテッドを頻繁に利用する私は、ユナイテッドに対するサービスへの期待値がめっちゃ低いので、そんなもんだよな、ってあんまり驚かなかったかも。

なんだかあまり救いになってないですね、私のコメント(笑)ま、アメリカの航空会社なんてこんなもんだよ、ということで。

アメリカで働くのに役立ったスキル

30年くらい仕事してきて、ま、それなりにお給料をもらえる仕事に就いてるわけですが、振り返ってみてどんなスキルが役に立ったのか、考えてみました。

その1: 英語
これは特に狙ったわけではなく、偶然の積み重ねみたいなもんですが、英語ができたのは大きいです。っつーか、アメリカで働くには当然英語ができないとお話にならない。
私は英語は中学校の時から得意で、成績も良かったです。高校時代は一切勉強しなかったので、ま、それなりの成績でしたが、英語の専門学校に進み米軍基地のレストランでウェイトレスのバイトをしていたので、それなりに話せるようにはなりました。そのお陰で就職も外資系の保険会社にすんなりと決まりました。
その会社には10年ほどお世話になったのですが、アメリカに移住するために退職。アメリカで就活して、今の会社に秘書として採用されました。当時、英語ができなきゃ就活なんてアメリカでできないし、実際アメリカで働き始めていろんな国の人達と働くにあたり、英語がどこに行っても共通語なので、英語はグローバルで仕事するには必須です。
ほんと、英語話せるようにしておいて良かった。

その2 タイピング
ブラインドタッチは英語の専門学校で習ったのですが、これは役に立った!卒業して30年経ちますが、未だに教えてくれて感謝、感謝、ですね。かなりの時間の節約になります。隣で人差し指のみで入力してるおじさん見て、あー、タイピング習ってて良かった、と思います。

その3 数字の読み方
アメリカに来てから入り直した大学で、専攻したのが会計学。かのバフェットさんがアカウンティングはビジネスの言葉だ、とおっしゃってましたが、その通り!損益計算書と貸借対照表、読めるようになって本当に良かったです。会社がどのように運営されているのか、どこが問題なのか、がよくわかる。そして実際に自分で数字を扱う立場になって、どのコストがどのように会社の経費に影響を与えるのかが理解できるので、仕事も面白いです。経理って勉強しとくもんですね。ビジネスは貸方、借方だ!(笑)

ハードスキルはこれくらいで、次は仕事に役立ったな〜、
と思うソフトスキル。

その1 言いたいことを伝える力
日本では毒舌で知られる私ですが、アメリカでは「言うことが分かりやすい」と言われます。遠慮勝ちに遠回しな表現ではなく、ストレートにそのまま言うのが良いみたい。コミュニケーションには必ず送り手と受け手がいて、受け手がメッセージを理解しないとコミュニケーション成り立ちません。アメリカは移民に国で、英語が母国語ではない人だらけ。特にシリコンバレーで一緒に働く同僚達は、殆どが他国からの移民。何で、まどろっこしい言い方ではなく、良い時には「いいね〜」とストレートに褒め、違う時は「それ、違うよ〜。」って明るくハッキリと言うようにしてます。

その2 ネットワーク力(カタカナの"カ"じゃなくて、漢字の力ね)
何処でも一緒だと思いますが、私の職歴はネットワークのお陰で構築されました。秘書という比較的低いランクからスタートした私のキャリアですが、一緒に仕事をした同僚が「今度このポジションが空いたから、応募してみれば?」などと教えてくれ、私のキャリア形成の助けになってくれました。ありがたいです。と言っても、私は自分からネットワークを意識して作ろうというタイプではなく、振り返ってみてネットワークの大切さを痛感した次第。キャリアは自分一人じゃ築けないものだとつくづく思います。

その3 太い神経
以前、このブログにも書きましたが、グローバルで働くのに必要なのは面の皮の厚さだと思います。アメリカは日本に比べると女性の職場進出が進んでいます。そして日本のように、良い意味でも悪い意味でも、女の子扱いしてもらえません。当然ですがプロとして扱われ、仕事ができないとクビになります。仕事を進めていくために、周りを巻き込む必要がありますが、全てがスムーズに行くわけではなく摩擦もありますし、文化の違う人達と仕事をするので対応の仕方も変える必要があります。
例えば以前態度が横柄なので有名なドイツ人の同僚に仕事の依頼をする事がありました。案の定、彼女は面倒臭そうな言い方で私を軽くあしらおうとしたのですが、頭に来た私は「これがどんなに大切な依頼かわかってるのか?」と、一喝したのです。一瞬沈黙ありましたが、彼女はブツブツ言いながらもすぐに依頼した仕事を片付けてくれました。
アジア人(特に日本人)は基本的に良い人が多いので、頼めばやってくれるのですが、他の国の人達が一概にそうかと言うと、そんなことはありません。交渉が必要な時も多いですし、バカにされないように自分の立場を守ることも大切です。いちいち他人にどう思われるかを気にしていたら神経持ちません。些細なことは気にしない、いわゆる鈍感力がグローバルな職場をサバイバルしていくには必要だと思います。

あ〜、そして私はますます変な日本人になっていく〜。

ナンバーワンよりオンリーワンになる

考えてみると世の中ってずっと競争ですよね。学校では成績を競ったり、スポーツの順位を競ったり。就職したらしたで、出世競争。個人だけではなく組織でも競合会社で売上を競い合い、マーケットシェアを競い合う。世の中業界ナンバーワンを目指して、日夜努力されてる人達いっぱいでしょうね。うちの会社もそんな感じです。国のレベルでもそうですよね。GDPを競い、生産力を競い、順位が上がったの落ちたのが話題になります。

でもさ〜、1番になることがそんなに良いことなのかな〜、って、ちょっと疑問。確かにね、1番になるって気持ち良いです。チョーどうでも良いことなんですけど、私、大学院首席で卒業して同期代表で卒業式でちょっとだけスピーチをするという光栄に賜ったことがあります。でも、それがどう世の中に役立ったか、自分のその後の人生に影響したかを考えたら.......ハッキリ言って、なーんも役に立ってません。1番になるって単なる通過点、もしくは結果であって、それ自体を目標にするのはどうなの?って最近つくづく思うようになりました。

でも、ま、目標を持つことはとっても大切だし、私も目標がないとダラダラを日々を過ごしてしまうタイプ。じゃ、何を目指すべきかと考えたら、ナンバーワンじゃなくてオンリーワンを目指した方が良いのではないか、と思うのです。

仕事場を見回しても、会社が大金積んで引き止めたがるのは、オンリーワンの人材ですね。一部の優れた経営者を除いたら、サラリーマン社長なんて結構誰でもできそうだし、クビ切られる確率も高かったりするけど、業界見渡してもこの人しかこれはできない!っていう何かを持ってる人は、高給もらって好きに仕事してるような気がする。会社も、コレ!っていうオンリーワンがあると強いですよね。そして、オンリーワンな会社の人達は、どうやって他社に追いつき追い越してナンバーワンになろうかを考えるのではなく、どうすれば自分らしさを、自社らしさを、最大限に発揮できるのか、を考えてるんだと思う。アップルにしても、トヨタにしても、そして近日上場するらしい、ほぼ日にしても。

私の大好きなサイモン・シーニック氏(この人、言う事も良いけど、外見も私の好み〜)が、マイクロソフトとアップルのマネージャー達を比べて面白い事言ってました。マイクロソフトのマネージャー達はアップルが何を開発しているか、どうやったら追いつけるか、どうやったらアップルになれるのかを重点的に話し、アップルのマネージャー達はいかにもっと良い製品を作れるか、どうやったらアップルらしさを保てるのかを重点的に話す、と。

私個人としても、オンリーワンになるにはどうすれば良いのか、日々模索中です。

 

これ、ちょっと長いけどサイモンさんのビデオ。面白いし役に立つと思うので、時間のある方はどうぞご覧ください。

https://m.youtube.com/watch?v=nJxQ2kUGJkA

 

 

 

 

学歴は作れる

私は普通とはちょっと違う順番で学位をとりました。アメリカに来てから、大学の学位がないとマネージャーになれないと人事部に言われ、そんなもんか、と素直に納得してコミュニティー・カレッジに入ったのが35歳の時。仕事をしながら学校に通う、という生活をしていたので、なんだかんだで卒業時は43歳でした。

で、卒業して思ったことは「家柄は作れないけど、学歴は作れる」ということ。当たり前のことかもしれないけれど、日本にいる頃は思いつかなかったこの発想。

アメリカの良いところは、社会が柔軟性に富んでいて、セカンド・チャンスがあることです。若い頃になんらかの事情で大学に行けなくても、何歳からでも大学に入りなおせます。私の同級生にもけっこう40代、50代の学生がいました。ちなみに私が卒業した年の卒業生の最高年齢は80代の女性。なんだ、私なんてまだまだじゃん(笑)って思ったことを覚えています。

あとアメリカでは学位がそのまま仕事に直結する場合が多いので(たとえば、会計事務所が雇うのは、会計学の学位を持っている人達)その分野に就職するために大学に入る直す人も多いです。また、就職時には成績も重視されることがあるので、アメリカの大学生、みんなまじめに本当に勉強しますね。試験前はみんな真剣そのもので、図書館など勉強できるスペースでカリカリ試験勉強してました。

日本でも社会人のための大学院とかが流行ってるみたいで嬉しい傾向だと思います。だってさ~、20年とか30年前に学んだ知識とか、かなり使えなくなってるって思いません?普遍性のある理論は良しとして、すんごい速さでいろんなことが変わっている今日この頃、学校に入りなおして新しいことを学ぶのも良いと思います。

あ、ちなみに私の日本での最終学歴は2年制の英語の専門学校でした。80年代半ばは女の子は4年制の大学出てるとなかなか就職がなかったっていう、今じゃ信じられない時代だったんですよ。時代は変わったよね~。

学歴がないから、とあきらめ気味の人がいたら、是非「学歴は作れる!」ということに気付いてほしいとおもいます。今からでも遅くないですよ~。

Book smart vs. Street smart

英語でBook SmartとStreet Smartという言葉があります。Book Smartは、勉強の良くできる優等生、みたいな感じ。成績がオール5で、偏差値の高い学校にすんなり合格できちゃう人達。Street Smartは実際の生活で知恵を働かせ、世の中をうまく渡っていく能力、とでも言いましょうかね。

世界中から優等生が集まってくるシリコン・バレーの、しかも医療機器の研究開発部なんかで働いていると、とんでもない学歴の人達が沢山います。そして、Book Smartだらけの博士号持ちだらけです。理科系の博士号持ちでウォートンのMBAとった人とか、中国で最難関の清華大学出身とか。日本語を流暢に話す中国人の同僚に、どこで日本語を習ったの?と何気なく聞いたら「東京大学で電子工学の博士号をとりました。」ですと。大変失礼いたしました。

そんな優等生たちに囲まれて日々過ごしているふっつーのおばちゃんな私ですが、つくづく思うのは仕事で出世する能力と、学校で良い点を取る能力は、当たり前だけど全然違うな、ということ。

アメリカで働いていて思うことは、出世していく上でのリーダーシップの重要さ。日本でもそうかもしれないけれど、意見の違う人達をまとめてチームとして機能させ、仕事の成果を出していくにはリーダーシップは必要不可欠な能力です。が、しかし、リーダーシップというのは簡単に身につくもんじゃないんですね、残念ながら。しかもアメリカ、いわゆるディバーシティ(多様性)の総本山。みんな価値観はそれぞれだし、日本人の常識は他の国の人にとっては非常識、というケースの多々あります。上司の言うことは素直に聞くのが当然という国から来た人もいれば、気に入らないことは反論して当然、という国から来た人もいる。

以前韓国人の役員がアメリカに赴任中に、金曜の午後にミーティングを入れたら部下からディクライン(”拒否”ですな)の返答が来て、かなりショックを受けたという話をしてくれました。ま、私からすれば「金曜の午後に会議なんて入れるか?」なわけですが、韓国の序列文化に慣れている彼にとってはかなりショックな体験だったようです。で、当然ながらあまりこの人アメリカでは受けは良くありませんでした。でも、韓国に戻ってからはみんなから尊敬される良きリーダーとして活躍されています。この例でわかるように、アメリカで認められて出世していくには、違う文化を理解し柔軟性を持って多様性を認めながらチームをまとめていく力が求められる、ということがわかってもらえると思います。

これが成績優秀なBook Smart君たち、なかなかうまいこと立ち回れない。思うんですけど、彼ら周囲で自分が一番頭がいいっていう状況に慣れてるんでしょうね。強いチームを作るには何が必要かというと、当然トップクラスのプレーヤーを部下に迎え入れることです。と、いうことは結果的にいちばんできが良くないのはリーダーだった、ということも。でもね、私はそれが強いチームの秘訣だと思うんですよね。できる部下を揃えてるんだから、上司までキレキレじゃなくても良いんじゃないのか、と。部下がのびのびと仕事ができる環境を整えて、自分はチアリーダーにまわるというのもリーダーシップだと思います。Street Smartな人達はそこらへんうまいことやってますね。そしてチームで成果をだして出世していく。ま、全員が全員、そうだというわけではありませんが。

私は明らかにBook Smartではないので、Street Smartの部類に厚かましいけど入れてもらいます(笑)Street Smartの特典として、Book Smartな人達に囲まれて働きながら、頭の良い人たちにあれやこれやいちゃもんつけながら仕事できてます。幸運もStreet Smartの条件のひとつに入るのかしら。

ほいじゃ、また次回!

アメリカという国の特異性

小さな部門ながら、一応グローバル企業の研究開発部門の予算管理を生業としているおかげで、いろんな国のオフィスに行く機会があります。うちの部門ではシリコンバレーとシアトルの他に、韓国のソウル、スロバキアのコシチェ、インドのバンガロールにエンジニアがいて、ドイツの本社に行く機会もありました。

アメリカに戻ってきて思うのは、アメリカっておもしろい国だな~、ということ。韓国のオフィスでは当然ながら大半が韓国人の社員。インドも当然インド人が大半。スロバキアもドイツもそう。その国の人達が働いていて、みんな見かけも大体一緒。

でも、アメリカのオフィスは全然違う。私のチームは、上司がドイツ人。同僚はドイツ人、カナダとアメリカの国籍を持つ元インド人(ややこしい・・・・)、イギリス人、日本人の私、そして、アメリカ人は一人だけ。同僚達の人種や国籍もバラバラで、いちいちあの人は何人、とか聞く人はいない。っつーか、そんなこと聞いてたらキリがない。

私のこともアメリカ人だと思ってる人もいるし。同僚達と雑談してた時、外国語の話になり「いや~、私も苦労したわ、外国語習得するのに」と言ったら、「何語勉強したの?」どんな質問するんや?と思いつつ「英語だよ。」って言ったら、「あれ?あなた英語が第二言語?知らなかったわ~。」だと。ま、こんなもんです。

いろんな国の人達が混ざって働いているので、個人レベルでは問題はあまりないのですが、たまにお国事情が垣間見えますね。中国語を話していた同僚に、「あなた中国人?」って何気なく聞いたら、「違う。台湾人。」と、きっぱり言われたことがあります。すみませんでした。それ以来、気をつけるようにしてます。

あと、インド人とパキスタン人なんて、私らには区別が全然つかないんだけど、この人達国同士では超仲が悪いみたい。バンガロールの同僚がクリケットの試合で、パキスタンとの試合になると「第三次世界大戦だ」って冗談で言ってたし。シリコンバレーのオフィスではみんな関係なく一緒に働いてるけどね。

ヨーロッパ人はそれぞれ微妙に違っていておもしろい。同じドイツ人でも、旧東ドイツ出身の人達は、なんとなく雰囲気でわかる。ドイツの隣の国で、同じドイツ語圏のオーストリア人は、ドイツ人よりも当たりが柔らかな人が多いので、私はオーストリア人、好きです。フランス人は不平不満ばっかり(笑)他にもトルコ人、マセドニア人、ボスニア人、ルーマニア人、ベトナム人、フィリピン人など、なんでもござれ。みんな一緒に仲良く仕事してます。

今の職場にはあまりいないけど、以前の職場にはアフリカ出身の同僚もけっこういましたね。アフリカ出身といっても、なぜかみんな白人ばっかりだった(笑)私の部下の女の子はキューバ出身で、旦那さんはインド人。どこで出会ったのかと思ったら、フロリダの大学で出会ったそうです。

こうして世界中から移民が集まるアメリカという国はとてもユニークです。この国が発展し続けていく理由は育った環境が違う人達が集まって切磋琢磨しあい、新しいアイディアを出し合い、異なった視点から問題を解決していく環境があるからだと思います。

日本でもディバーシティという言葉が最近流行っているようですが、アメリカのディバーシティはレベルが違います。男女の差のみではなく、人種の違い、性的嗜好の違い、年齢層の違いなど、あらゆる多様性を受け入れよう、という姿勢なのです。当然そうすることは簡単じゃないですよ。ゲイを受け入れない人とか、有色人種を差別する人とか、もちろんいます。でも、アメリカの凄さは面と向かって正面から「そういうことはやめて、多様性を受け入れましょう。」と宣言し、それを馬鹿正直に実行しようと努力するところ。

トランプ政権下、いろいろと問題もある国ですが、多様性を受け入れる一般の人達の姿勢は見習っても良いんじゃないかと思います。

バンガロール出張記 インドのシリコンバレー、バンガロール編

シンガポールで一休みしてから、いよいよバンガロール入り。シンガポールからは4時間ちょいのフライト。で、意外だったのは日本人ビジネスマンが多く同じフライトに乗り合わせたこと。やっぱりバンガロールにオフィスを置いている日本の会社、多いんでしょうかね。それにしても、いつも見かける韓国人のビジネスマンより日本人の方が多かったのがちょっと意外でした。ずっとアメリカにいて、アジア情報に疎くなっているかもしれない、とちょっと反省。

で、バンガロールには夜10時過ぎ着。無事に入国審査も終えてホテルを通して手配しておいた運転手さんと落ち合い、ホテルまで連れて行ってもらいます。ところでインドの入国審査、どうでも良いけど「何しに来たのか?」とも「どこに泊まるのか?」とも聞かれず、ドン!とスタンプ。適当だ~!ま、ビザとパスポートはちゃんとチェックしてたみたいだけど。

翌日から3日間はバンガロールのオフィスにて同僚達とミーティングしたり、開発している商品のデモを見せてもらったりしたのですが、印象は「みんな若い!」インドの人口ピラミッドを見てみると、若年人口がとっても多い。2050年には中国を越えて世界で一番人口の多い国になると予想されている国です。恐るべし、インディアンパワー。どうりで次の巨大マーケットとして期待されるわけですわ。

populationpyramid.net

インドの将来が有望だと思う理由は、人口、そして若年人口の多さもありますが、教育熱心なお国柄ということもあります。インド政府がIT産業に力を注いできたのは知ってる人も多いと思いますが、本当にソフトウエアのエンジニアがいるわ、いるわ。私の会社はいわゆるITクラスター地区(政府がある一定の産業の会社に無償で土地を貸したり、税金を優遇したりして誘致する地区)にあるのですが、周りにはヒューレット・パッカードやら、Infosysやらの大きなオフィスがたっくさん。そして、そのオフィスに通ってくる大勢の人達の景色は壮観でした。若くて優秀でやる気のある良質の労働力がふんだんにある国って発展しそうな気がしません?それに少なくとも今は労働力がめっちゃ安いので、これからも外資が入ってくる可能性大。どんだけ安いか、というバンガロールのエンジニアは、シリコンバレーのエンジニアの約5分の1のコストなのです。(注意:これはあくまでも、うちの会社のレートです。)

し~か~し!大丈夫かいな?と、思うこともいくつか。まず、インドは法律がややこしいので有名。中国のように中央集権でお上の言うことはみんな聞く、っていうことはなく、アメリカのように各州が権限をもっているために国としてのまとまりが非常につきにくいこと。インド人の同僚とカルチャーショックの話になった時、一番カルチャーショックを受けるのは、外国に行ったときではなくインドの近隣の州に行くとき。言葉も文化も習慣も食べ物も、全然違うらしい。同僚がある地方に行ったとき、ナン(インドのパン)にドカーンと、バターの塊が一緒に出てきて「これ、どうやって食べろっていうんだ?」ってびっくりしたって言ってたし。あと言葉も地方によってまったく違う。同僚達によると、みんな少なくとも2,3の現地語と公用語である英語とヒンディー語が話せるらしい。「どうやってそんなに覚えるの?」と聞くと、「慣れだね~。」だと。国として発展していく上で、てんでんばらばらなのはちょっと困ると思うんだけど。

そして極めつけは、インディアン・クオリティー(笑)ま、一見は百聞にしかず、ということで下の写真をご覧下され。

 

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 これ、私が泊まってたホテル(超モダンでラクシュアリーな外国人ビジネスピープル向け)のエレベーター。3基あるうちの2基がこのありさま。ちなみに15階のボタンをおしてみたんだけど、光もしなかったからたぶん飾りだったのかも(笑)

こういう適当さが商品の品質にも反映されているとしたら・・・・。ビジネスとしてはどうなんでしょうかね。

あと、気になっていたのがカースト制度はまだあるのか、という素朴な質問。聞いてみると、都市部ではほとんどなくなっていて、風習が残っているのはやはり田舎の方だそう。で、職業とかそういうのはカーストは関係ないけど、やっぱり気になるのは結婚するときで、だいたい同じカーストの階級でひっつくことが多いらしい。そしてインドは今もアレンジ・マリッジ、ま、お見合い結婚みたいなもんですかね、が非常に多いみたいです。私の同僚もいっぱいいますね。親や親戚が用意してくれた縁談で結婚を決めるた、と言う人。おもしろいのはアメリカに沢山いるインド人だけど、アメリカに住んでると同じカーストの人を見つけるのが大変なので、インド人なら誰でも良い、となるらしい(笑)

今回は同僚がバンガロールの市内に夕食に連れて行ってくれた以外は、オフィスとホテルの往復のみ。そして食べるものに最新の注意を払っていたのでお腹も壊さず無事に帰ってきました。

おもしろかったのは、バンガロール出国の際に「インドには何しに来たの?」って聞かれたこと。ここで聴くかい??と思いつつ、にっこり笑って「友達に会いに来た」とだけ言って、その場を去りました。

さらば、インドよ。しばらくは来なくていいかな。インドに駐在している方達、尊敬します。私にはこのカオス度は無理です。3日の滞在、ちょうど良い長さでした。